大阪市の名所旧跡史跡

中之島緑道

（所在地）中之島２（淀屋橋北詰～肥後橋北詰）

（撮影日）２００９．１０．２３

大阪市制１００周年の記念事業の一つとして計画された遊歩道で、約４００ｍの緑道沿いには公募で選ばれた１０点の彫刻が設置されている。

 

「この地に梅田駅ありき」の碑

（所在地）大深町２－１８９（ＪＲ西日本労働組合本社総本部南側）

（撮影日）２０１７．９．１３

明治７年（１８７４年）、大阪・神戸間の鉄道が開通した時にできた駅で、当初は旅客よりも貨物の取扱が多かったが、旅客の増加に伴い、昭和３年（１９２８年）に分離され、旅客駅は「大阪駅」と呼ばれた。平成２５年に閉鎖となり梅田信号所となった。

 

 

沖向地蔵尊

（所在地）天神橋６－２－１４（太田診療所南西角）

（撮影日）２０１７．７．２３

大化の改新（６４５年）後、僧行基が大阪の七カ所に墓地を造り、大阪七基と称し、その墓地の一つがこの地にあった天満の葭原（よしはら）墓地である。その後、墓地守護のため浄土宗の西之坊という寺が建立され、地蔵尊・勢至菩薩・阿弥陀如来が祀られた。大正１０年（１９２１年）、墓地は北市民館建設のため長柄墓地に移転したが、地蔵尊と御堂はこの地に残った。戦時中の空襲にも焼失を免れたが、平成１５年に老朽化のため建て替えられた。

 

第７代大阪市長 関一（せき はじめ）像

（所在地）中之島１－１－２６（東洋陶磁美術館前）

（撮影日）２０１５．７．１０

社会政策学者で都市経済学者でもあった人で、学校で教鞭をとっていたが、大正３年（１９１４年）、大阪市長池上四郎の招請により大阪市助役となり、大正１２年（１９２３年）から市長となり、３期（１９２３年～１９３５年）、つとめた。在任中に御堂筋の拡張・地下鉄（御堂筋線）の建設・大阪城の再建・大学の開設など、大阪の基盤を作り「大大阪時代」と呼ばれる全盛を迎えた。

 

梅ヶ枝橋橋名板

（所在地）末広町３（扇町通緑地帯）

（撮影日）２０１６．５．７

慶長３年（１５９８年）に完成した天満堀川は堂島川に面した菅原町から扇町までで、この辺りは堀溜まりになっていた。天保９年（１８３８年）、大塩平八郎の乱が起こり、被災者を救済するための公共事業として、大川の樋之口町から扇町までの堀川延伸工事が始まり、その時に架けられたのが梅ヶ枝橋である。現在の橋は昭和４６年（１９７１年）に架けられた橋である。

 

毛馬北向地蔵尊 北区

※一体は明治末の洗堰工事の浚渫作業時、大川から発見された。一体は大正９年頃、旧光龍寺の整地の時に掘り出された。一体は昭和６年頃に土佐堀にあった旧内務省大阪土木出張所にあったのを移転した。それぞれがどれに当たるかは不明。

 

 

毛馬第一閘門と旧洗堰（淀川旧分流施設） ※国重要文化財 北区

（所在地）長柄東３

（撮影日）２０１０．５．８

淀川の下流では大川・中津川・神崎川の三流に分流していたため昔から幾度も洪水被害がおこっていた。明治２９年（１８９６年）に淀川改修工事が着工され、毛馬閘門も大川への水量調整や土砂流入防止のため、明治３７年（１９０４年）に工事開始し、明治４３年（１９１０年）に完成した。閘門は淀川と大川の船往来のためで、洗堰は淀川の水を大川に流すためである。大正７年（１９１８年）、大川の水位低下により第一閘門は機能できず、第二閘門が行う。昭和４３年、新水門完成により使用中止となった。平成２０年に国重要文化財となる。

 

　

※淀川側閘門

 

※大川側閘門

 

※淀川改修紀功碑

明治２９年に淀川改修が始まり明治４２年に完成したのを記念して建てられた碑である。平成２０年に国の重要文化財になった。

 

※旧洗堰

閘門と同時に完成した洗堰は淀川の水を大川に流すための施設で、１０ヵ所の水通しがあったが、新しい洗堰のため北側の３分の２が撤去され、３分の１が残った。この施設も国の重要文化財である。

 

※沖野忠雄像

安政元年（１８５４年）、但馬豊岡藩の下級武士の三男として生まれ、明治３年（１８７０年）、大学南校（後の東京大学）に入学しフランス語を修得後、パリに留学して土木学を修得して明治１４年に帰国した。明治１６年に内務省土木局技師となり、明治２９年に淀川改修の工事責任者となる。

 

※淀川左岸水害予防組合記念碑

組合は大正８年（１９１９年）設立された。

 

※眼鏡橋

淀川改修工事の掘削した土砂を毛馬から海老江まで運ぶため、明治３５年（１９０２年）に長柄運河ができた。運河完成時は仮橋であったが、大正３年（１９１４年）に眼鏡橋が架けられた。昭和４２年（１９６７年）、運河は埋め立てられ、橋としての役目は終わった。

 

※旧毛馬基標

淀川改修工事や大阪港築港の時に高さの基準になっていた標石で「毛馬元標」と呼ばれていたものである。

 

※係船環

閘門に入った船が水位の調整の時に上下に動かないように繋ぎ留めるためのものである。

 

 

 

　

 

渡辺橋・肥後橋の碑 北区

（所在地）中之島２（渡辺橋南詰交差点北東側）

（撮影日）２０１６．４．３０

渡辺橋は古くからあり、名称は中世の文献にも記されている。橋名は昔の地名であった渡辺の津にちなんでつけられた。木橋が架けられていたが、明治１８年の洪水で流されたため、明治２１年に鉄橋が架けられた。明治４１年、市電建設のためアーチ橋に、昭和４１年には地下鉄建設で今の橋となった。

 

 

 

中国街道道標（常夜灯型） 北区

（所在地）中津７（十三大橋南東詰）

（撮影日）２０１３．４．２２

高麗橋を起点とし、西宮で西国街道と山陽道の分岐点が終点となる中国街道は江戸時代に整備された街道で、明治時代に行われた淀川の河川改修工事前は中津川という河川があり「十三渡し」が対岸を結んでいた。明治１１年（１８７８年）に有料の十三橋が架けられ渡しは廃止された。この常夜型の道標は大正９年（１９２０年）に建てられたものである。

 

 

暁鐘成（あかつきかねなり）の墓（浮世絵師・戯作者）※大阪府規則指定史跡・大阪市指定史跡 北区

（所在地）大淀中４－５－１２（勝楽寺）

（撮影日）２００９．８．２１

寛政５年（１７９３年）、京町堀で醤油醸造業の和泉屋の庶子として生まれ、後に分家に預けられた。商いのかたわら、狂歌や戯作などに関心をしめし、洒落本や名所図会など色々な著述をしながら土産物店を営んでいたが、天保の改革により閉店した。晩年には「西国三十三ヵ所名所図会」の挿絵や「天保山名所図会」などを刊行した。万延元年（１８６０年）、冤罪で投獄され、無罪とわかり釈放後、急死した。享年６７歳。