佐高信と本を語ろうWith村上信夫
来て下さったので、とても和やかな雰囲気の中でお話が聞けました。
「新 師弟物語」佐高信著 岩波現代文庫の紹介の中で・・・
戦前から平和運動をされていた戦後日本を代表する思想家のひとり
久野収さんが、師匠。
昭和52年 (1977年)佐高さんが初めて本を書いた時に、
師匠の久野収さんに推薦文を頼んだら、
「そういう権威付けのようなことはするな!」「僕の教えてきたことは「自立」
ということなんだ、それなのに推薦文を頼んでくるなんて君は、
ちっともわかってないじゃないか!」と叱られた。
しかし、久野収さんは、直接版元に、推薦文を送られていた。
それによると
『佐高信は、慶應大学、法学部学生のくせに、僕の学習院大学での
哲学講義を聞き続けた。
法政・明治・学習院・立教・東大などの大学講義を・・・盗聴?』(会場大爆笑)
学生寮で他の大学の学生からカリキュラムを聞き、自分でカリキュラムを
組まれていたとか。エピソードをお聞きした。
「自前の思想」集英社新書 「自立と自前の違い」
自前は、全てを引き受けた中で自分らしく生きること。
人生経験というのは学校で学べない。池波正太郎という人は置かれた環境の中で
自分で学んでいった。
勉強は学校で学ぶかもしれないが、学問は、社会で学ぶことの方が多い、
「知恵」、生きる知恵というのは学校で学べない。
「書店がこれからどうなるのか?」の質問に対して、
北海道の北洋銀行の例を出され、バブルの波にのらず、内部からも
「儲かるチャンスを逃している」との声があがっても、融資をさせなかった。
そのおかげで、バブルが崩壊して、北海道拓殖銀行がダメになった時に、
奇跡的に北洋銀行が引き継ぐことができた。バブルにのっかった融資をやらせず、
堅実な経営を続けられた“武井正直さん”のお話に胸を打たれました。
「再販制度についてはどのように思われますか?」の質問に対して
維持していかなければならないと思う。
「本」というか?「文化というものは、市場競争させてはならないものだと思います。」
と言われた。
TVサンデーモーニングで、短い言葉で物事の真髄をビシっと指摘されるところに
惹かれて、ご登場いただきましたが、学ぶべきところが多く、経営について、また、
人としての生き方についても、多くのことを教わることのできる有意義な時間でした。
参加された多くの方々から感動のお声をいただきました。有難うございました。