<小出裕章先生を囲む会を終えて>
40年も前から、原発に反対しながら研究を続けている小出裕章さん(京都大学原子炉
実験所助教授) は、「今回の福島の原発事故に際して、原発に反対し続けて
きたのにも関わらず「原発」を止められなかった。そしてそんな社会をゆるしてしまった
自分にも責任がある」と話された。多くの原発推進派が、責任逃れをしているというのに・・・。
小出裕章先生の誠実さに胸をうたれた。
そんな小出裕章先生の話「知っておかねばならない原発の真実」を聞きたいと、
今回は「作家さんを囲む会」を始めて最も多い120人もの方々の参加があった。
口調は穏やかだが、原子核・放射線計測の専門家であり、放射能から、
何の責任もない子どもたちの命を、人々の健康を守ることに情熱を燃やし、
その信念を貫く姿勢から、揺るがぬ思いが、ひしひし伝わってきた。
1949年東京生まれ。京都大学原子炉実験所助教。原子力の平和利用を志し、
1968年に東北大学工学部原子核工学科に入学。しかし原子力を学ぶことで
その危険性に気づき、1970年、女川の反原発集会への参加を機に、伊方原発裁判、
JCO臨海事故などで、放射線被害を受ける住民の側に立って活動。
今回の話でも、政府や東電の出す安易な安全情報に惑わされず、事実を見極める目をもつ
必要性を強調しておられた。
小出先生は、
「被曝量は、少なければ大丈夫。低線量だから安全。そんなことはありえない。」
未来を担う子どもたちに、これ以上被曝させないことを第一に考えるべきだと繰り返し話された。
この深刻な状況を一人でも多くの方に伝えていきたい。
この原発による放射能の問題に、ひとりひとりが関心をもち、未来を担う子どもたちを守るために、
志を持って、それをつなげていけたら、大切なものを守ることができるのではないか。
ひとりひとりに、何ができるのか?
それぞれが、真剣に考えれば、流れを変えることが出来るのではないのだろうか?